予防歯科について

予防歯科とは、むし歯などになってからの治療ではなく、なる前の予防を大切にすることです。

「予防歯科」の基本は、歯が生えはじめた時から歯の健康を考えることにあります。歯を失うと生活の質(QOL)が下がります。そうならないためにも、正しい知識を身につけ、生涯を通じて歯をトラブルから守り、管理する「予防歯科」が重要なのです。ここ日本でも平成24年に厚生労働省から「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」が報告されるなど、「予防歯科」を推奨する機運が高まっています。

それでも、これを読んでいるあなたは『歯医者は痛くなってから行くもの』と思っているのではないでしょうか。

歯が痛くなってから来院していただいた場合、私たちは治療をするしか方法がないのです。

『歯医者で治療をするのは当たり前だ!!』

おっしゃる通りです。

しかし、考えてみてください。一度削った歯は、元に戻りません。だからこそ、できるだけ削りたくないのです。

歯を削らないでいいように、一緒に予防しましょう!!

虫歯になる原因

歯の表面に虫歯菌がまとわりつき、虫歯菌のご飯である糖を食べます。虫歯菌は糖を食べたあと酸と排泄物を出します。その酸が歯を溶かし、排泄物はプラークと言われる歯垢をつくります。そのプラークが歯のまわりにまとわりつき、さらに虫歯菌がつきやすくなります。その悪循環が繰り返し起こり、歯が溶けて虫歯になるのです。

虫歯の予防方法

では虫歯になるのを防ぐにはどうすればよいのでしょうか?
虫歯を予防する方法としていくつか挙げられます。まず糖をキシリトールなどの代用甘味料に変えることで虫歯菌は排泄物である酸とプラークを作れなくなります。そして栄養の取れない虫歯菌は活動ができなくなり数が減少していくので虫歯予防に効果があるのです。

次に歯磨きです。歯に虫歯菌とプラークが長くついている状態が多ければ多いほど虫歯になる確率が高くなります。即ち歯磨きの重要さ、虫歯に対する知識を身につけ、それをもとに食後の正しい歯磨きと1日の歯磨きの回数を改善していくと効果的です。歯磨きなんて簡単と思いがちですが意外と難しいものですので、歯科医師、歯科衛生士の指導が大切です。

最後に歯の表面の性質をかえる方法です。おもにフッ素塗布、シーラントが一般的です。

歯周病の予防方法

最も重要なのは歯磨きです。正しいブラッシングのやり方を身に着けお口の中をきれいに保てるように歯科衛生士による歯磨き指導に力をいれています。

効率よくプラーク(歯垢)を除去するには、歯ブラシのかたさが「ふつう」のものがおすすめです。ただ、歯周病で歯肉から出血の見られる人は、まず「やわらかめ」の歯ブラシを使い、歯肉が回復したら「ふつう」のかたさにかえるようにしましょう。 また、超極細毛歯ブラシを使うと、プラークが残りやすい歯肉溝(歯と歯肉のすき間)や歯周ポケット、歯と歯の間に毛先が届きやすく、効果的にプラークの除去ができます。

プロケア

プロケアとは、歯科医師や歯科衛生士などの専門家によるむし歯予防です。歯科医院では、むし歯の有無を調べるだけではなく、歯みがき指導や、プラーク除去・フッ化物塗布等の予防処置ができます。歯が痛くなってから歯医者に行くのではなく、予防のために定期的いらしてください。

定期健診

子供の頃、学校で定期的に歯医者さんがきていませんでしたか?
むし歯の予防や、歯の健康な成長発育のためには、定期的に健診を受けることが大切です。
定期検診の時期や受ける回数は、年齢やお口の状態にもよりますので、ご一緒に考えていきましょう。

歯石除去、歯面清掃

プラーク(歯垢)が長い間歯についたままになっていると、プラークに唾液(だえき)中のカルシウムなどが沈着して歯石になります。歯石の表面は凸凹していてプラークがたまりやすく、放置すると歯石はさらに厚く硬くなります。この歯石は歯ブラシで取れないばかりでなく歯石表面にプラーク(歯垢)が付着し、炎症を悪化させますので、来院いただき除去しましょう。
また、機械的な歯面清掃(PMTC)を受け、自分では取りきれない部分のプラークを取っていきましょう。

フッ素塗布

プラーク(歯垢)を除去した歯の表面に高濃度のフッ化物を塗布すると、酸に溶けにくい強い歯になります。とくに、子供の場合は、生えて間もない歯に対して行うとより効果的です。定期的に塗布することで強い歯を育てていきましょう。
ただし、フッ素塗布の間隔については、年齢やお口の状態によって異なるので、ご一緒に考えていきましょう。